トリガーポイント療法 プラス
Fascia(筋膜などの結合組織)へのアプローチが効果的

トリガーポイントの創設者

JanetG. Travell,M.D. (1901-1997)
筋膜痛の存在と重要性を認識していた医師の中でもその診断と治療におけるパイオニア的な存在であり、この分野を開拓した女医である。
DavidG. Smons,M.D. (1922~)
もともと航空宇宙医師として、無重力状態のストレスに対する生理学的反応を測定する方法の研究者で、一見接点がない2人の相乗効果によって生まれた、痛みを緩和するために最も効果的な手法がトリガーポイント療法である。
Janet. Travellが初めて「トリガーポイント」という言葉を用いたのは、1942年のことである。(1999, 15)
参考文献
[誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方 (Clair Davies / Amber Davies 著 大谷素明監訳) ]

 

トリガーポイントとは?

トリガーポイントとは、『身体の約200対に及ぶ筋肉の、筋組織内部の硬結上の結節(しこり)に存在し、指圧刺激で鋭く身体の深部に感じる痛みを発する、引き金となる限局性のポイント』を言います。
特徴的なのは、関連痛という痛みのある場所から、離れた場所に原因となるトリガーポイントが存在するケースが多く見られます。痛みだけでなく、筋の伸縮機能不全・筋力低下・痺れ・浮腫・異常姿勢など様々な悪影響を体に及ぼします。
トリガーポイントが形成された状態でエクササイズや筋力トレーニングを行っても、筋肉は弱り続け、むしろ逆効果になってしまいます。

 

fasciaとは

Fasia(ファシア)とは、人間の体を構成する、筋肉・靭帯・腱・骨・内臓器・血管といった様々な組織を分離して包み込む膜(結合組織)を表します。
ここでは、Fasia=筋膜という事でクローズアップしてお伝えしていきます。

Fasia=筋膜の構成は、
・膠原線維(コラーゲン)〜密度が高く強靭な結合組織。
・弾性線維(エラスチン)〜伸縮性に富み、ゴムの様な結合組織。
・細胞間質(ヒアルロン酸とプロテオグリカン)〜上記の線維状タンパク質とそれらの線維を潤滑よく癒着しない様に円滑に保つ役割をする。

上記3つの素材から成る Fasia=筋膜の張力によって、身体はバランスを保ち、形状を支持しています。この事から、 Fasia=筋膜は『第二の骨格』とも呼ばれています。
様々な原因で、この内部環境の状態が崩れると潤滑性が保たれず、Fasia=筋膜の硬直・よじれ(洋服の皺の様なイメージ)・細胞間質液の脱水が起き、Fasia=筋膜と脂肪組織や筋組織が癒着を起こし、円滑性を失いスムーズな動きができなくなります。(洋服を捕まれ動きづらい様なイメージ)



癒着を起こす原因とすれば
◎ オーバーユース
◎ 左右の筋肉のバランスの不均衡
 ・荷物はいつも左手で持つ
 ・立ち姿がどちらか一方の足に重心がある
 ・長時間(大体30分以上)同じ姿勢が多い
 ・極度の緊張やストレスを感じることが多い
などが考えられます。

Fasia=筋膜は、筋肉よりも痛みの感覚受容器が多く存在し、痛みを敏感に感知します。この様な負の連鎖によって、身体はストレスと筋緊張の状態が継続することで、やがてトリガーポイントが形成され、痛みやしびれ、コリなどが生じます。よって、トリガーポイントと Fasia=筋膜は必然的に深く関係してくるという事です。

当院では、患者様の状態に合わせたオーダーメイドで治療方法を選択し、症状改善を目指していきます。
トリガーポイント療法と合わせて『第二の骨格』Fasia=筋膜を調整することで痛みのない機能的な身体を手に入れ、生活の質の向上が期待できます。